承認の可否については来月、判断する見通し
塩野義製薬が開発した新型コロナウイルスの飲み薬「ゾコーバ」(一般名「エンシトレルビル フマル酸」について、厚生労働省の専門家部会は22日から審議を始めました。
有効性などについて慎重に議論を重ねる必要があるとして承認の可否については来月、判断する見通しです。治験データを踏まえた有効性や副作用などの安全性について慎重に議論を重ねる必要があるとして、審議を継続することが決まりました。
塩野義製薬によりますとこの薬は偽の薬を服用したグループと比較する治験を行った結果、ウイルスが検出された人の割合が90%減少したということです。
また、疲労感や体の痛みなど12の症状については明確な差は出なかったものの、呼吸器の症状は改善し、副作用は軽度だったとしています。
「塩野義製薬」の新型コロナウイルスの薬
【S-217622について】
塩野義製薬の新型コロナウィルス感染症治療薬であるS-217622は、北海道大学と塩野義製薬の共同研究から創製された3CLプロテアーゼ阻害薬です。新型コロナウイルスは3CLプロテアーゼというウイルスの増殖に必須の酵素を有しており、この治療薬は3CLプロテアーゼを選択的に阻害することで、SARS-CoV-2の増殖を抑制します。現在、軽症/中等症のCOVID-19患者または無症候のSARS-CoV-2感染者を対象とした第2/3相臨床試験のPhase 2b/3 partを実施中です。
臨床試験の結果63~80%患者が減少
臨床試験では、日本人成人を対象とした無作為化プラセボ対照二重盲検比較試験であり、塩野義製コロナ治療薬を1日1回、5日間経口投与した際の抗ウイルス効果ならびに安全性を評価します。結果に関する要約は以下のとおりです。
・ プラセボ群と比較してS-217622群で速やかなウイルス減少効果が確認された。
・ プラセボ群と比較してS-217622群で速やかにウイルス力価陽性患者の割合が減少した。
・ 本治験において、高度な有害事象も重篤な有害事象も確認されず、忍容性が確認された。
塩野義製薬の治療薬は感染初期の患者向けで、昨年9月から最終段階の治験を始めています。日本人を対象とした偽薬との比較試験では、1日1回、5日間投与。治療薬を飲んだグループは、3回投与後、偽薬のグループに比べて、感染力のあるウイルスを持つ患者の割合が63~80%減少しました。
投与による人体への重篤な有害事象は確認されていません。
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