国内第2波の現時点での死亡率
第2波の現時点での解析が国立感染症研究所から発表されました。致死率は「第1波」は5.8%で、「第2波」では、8月19日時点で0.9%でした。70歳以上では「第1波」は24.5%、「第2波」は8.7%と大きく低下しました。
海外でも「第2波は致死率が低い」
「第2波は第1波よりも致死率が低い」という減少は海外でも観察されています。
世界全体の致死率は4月中旬にピーク(約7.3%)を迎えた後3.3%まで低下してきています。
日本も致死率が5%を超えている時期もありましたが、現在は2%を切るところまで低下しています。
致死率が減少した理由
致死率が減少した理由として考えられることは、
- 新型コロナウィルスの弱毒化したタイプが流行している。毒性の強いウイルスよりも毒性の低いウィルスの方が感染力が強い。
- 検査が若年層や無症状の人にまで広まり感染者の全体像をとらえることができた。
- 新型コロナ対応に医療関係者が慣れ医療現場の混乱がなくなった。
- 中国が輸出停止をやめ、不足していた機器や機材・薬品がまにあるようになった。
- 抗炎症薬としてはデキサメタゾンが使われるようになるなど、治療法が確率しつつある。
- 日本では、98%が無症状か軽症と言う実態である。毒性の低いウィルスに感染していることが、ワクチンを打ったことに近い働きをしている。
- 第2派が始まる前に、暴露したり、感染したりを経験しているので、新型コロナに対する免疫が強化された。
- 感染を急激に拡大したので、すでに新型とは言えないウィルスになっている。普通の風邪に近いレベルへ近づきつつある。
- PCR検査キットによる判定が、「偽陰性」判定を出すことを避けるため「偽陽性」が出やすくなっている。そのため感染確認者数が増加し、死亡率が下がった。
- PCR検査キットが新型コロナウィルスだけでなく土着風邪やインフルエンザ等のウィルスにまで誤って反応を示してしまっている。そのため感染確認者数が増加し、死亡率が下がった。
などが考えられます。1から8までの理由は、それぞれ死亡率を下げる原因となっていると言えます。9・10に関しては、医療検査の精度を高めるためにも徹底して検証してほしいものです。
また、感染者の大多数が若者です。その中には、無症状であったり、症状が出ていても気がつかない程度がほとんどです。このレベルの症状であれば、新型コロナウィルスに暴露したり、感染したりしてしまったことが、ワクチンを打ったことと同じ効果になっていることも見逃してはいけません。
新型コロナウィルスとの共存
社会経済活動を維持しながらの感染防止対策
感染拡大のリスクをゼロにすることはできません。「新しい生活様式」が社会経済全体に定着するまで、リスクをコントロールしながら、段階的に社会経済の活動レベルを引き上げていきます。感染拡大と医療崩壊を防ぐために求められている自粛。それがいま、経済そして雇用に深刻なダメージを与えてしまっては、私たちは生きてゆくことはできません。
感染拡大の防止と経済。この2つの難しい舵取りが大切です。新型コロナだけに目を奪われて狭い考えで対策を論じることは危険です。
ブースター効果
- ウイルスに初めて感染すると最初に『IgM』という抗体値が上がり、その後に『IgG』が上昇します。
- 免疫を持っている人が再感染した場合、IgGが先に上がります。
- 新型コロナの抗体は減少する
- 一度免疫が作られると、その後に再度感染することで免疫機能が強化される。
ウイルスとの共存が必要
生活している中で何度も新型コロナウィルスに暴露したり、感染したりしている。気がつかない間に、暴露や感染を繰り返しているのです。
「確かに抗体は時間とともに減少します。しかし一方で、一度免疫が作られると、その後に再度感染することで免疫機能が強化される『ブースター効果』が期待できます。だからこそ、時折感染して抗体値を上げ、下がったらまた感染するというサイクルを繰り返すことが重要です。ワクチンを繰り返し打つことで、免疫が強くなることと同じです。“絶対にコロナにかからない”という考え方では、免疫機能は一向に働きません。」
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