ワクチン接種で死亡者は激減、日本の対策は死亡者を減らす点においては成功している
国内の新型コロナウィルス感染症が原因でお亡くなりになった方の人数の変化を見てみましょう。
このグラフは、国内の新型コロナによる死亡者数を表しています。死亡者数は、6月当初から7月にかけて5分の1程度に激減し、8月に入り微増しています。
高齢者のワクチン接種が進み、重傷者・死亡者が5分の1に減りました。日本のワクチン政策は死亡者を減らすことに関しては成功していると言えます。
・6月当初から7月にかけて5分の1程度に激減 した理由は、高齢者のワクチン接種が進み、高齢者で感染し重症化する人が減ったからです。
・8月に入り死亡者が微増している理由は、59歳未満の若い人の感染者が急増し、それに伴い重症化する人も増えたからです。
この表は、日本国内における8月13日までのワクチン接種実績です。高齢者のワクチン接種が80%を超えています。日本では、医療従事者に引き続き高齢者を優先してワクチン接種を進めてきました。
今まで高齢者の重症化・死亡者が多かったのですが、ワクチン接種の防感染・防重症化効果は高く、重症者の感染者が激減しました。それにつれて重傷者・死亡者が5分の1に減ったのです。日本のワクチン政策は死亡者を減らすことに関しては成功していると言えます。
新型コロナ国内感染確認者数は急増、初の2万人超え
次に、感染確認者数の変化を見てみましょう。
13日はこれまでに全国で2万365人の感染が発表されていて、初めて2万人を超え1日の発表としては過去最多となりました。このグラフは7月1日から13日までの1日の感染確認者数を表しています。7月初めの感染確認者数が1900人に対して10倍以上に感染数が増えていることが分かります。
国内の感染者が急増し入院できない人が増え、 十分な手当てを受ける前に、急激に重症化し死亡するリスクが高くなってしまっています。
従来株の場合、アジアの人々は自然免疫で発症を防ぐことが出来ましたが、デルタ株には効果がなく欧米の人と同じように感染してしまうようです。このペースで感染が進んでしまえば2週間後には1日3万人もの感染者が出ることになってしまいます。
とても全員入院できるはずもなく、大多数が自宅待機となり医師による十分な手当てを受ける前に、急激に重症化し死亡するリスクが高くなってしまいます。
重症者が高齢者から59歳未満に変わってきている
感染の中心は20・30歳代
この表は、東京都の年代別感染確認者数と割合です。感染確認者が多い年代は、圧倒的に20歳代と30歳代です。この世代だけで50%を超えています。
子どもの感染も増加している
今まで感染が少なかった19歳未満の子供の感染確認者も増加しています。デルタ株はウィルスの増殖が従来株よりも1000倍以上です。今までは、排出するウィルス量が少ない子どもからの感染は少なかったのですが、さすがに1000倍ものウィルスを排出するとなると、いくら大人より少ないと言っても人に移してしまいます。
学校・塾・スポーツクラブ等のクラスターには十分注意する必要があります。
高齢者の感染者は激減している
この表は、東京都の8月13日の世代別感染確認者数と割合を表しています。新型コロナに感染する多くは50歳以下で全体の80%を超えています。
それに対して65歳以上の高齢者の感染確認者の割合は3.5%に留まっています。高齢者のワクチン接種が進み、東京都だけでなく日本全国で高齢者の感染者は以前の3分の1から4分の1に減ってきています。ワクチンを接種した高齢者の割合は80%ですので、高齢者が接種したファイザー製のワクチンの防感染効果は、80~100%と計算上なります。日本よりはやくワクチン接種を開始した海外では、ワクチンを接種して出来上がった抗体が減少してきており、感染予防効果は低下してきていますが、ワクチンを接種した直後の日本では海外とは違い非常に高い効果を発揮していると言えます。
64歳以下のワクチン接種が今後進めば、感染者とともに重症者・死亡者も激減していくと予想されます。コロナに打ち勝つには、短期間に集中して大量の人がワクチンを接種することが必要となります。
重症者が高齢者から59歳未満に変わってきている
表は、東京都の8月13日時点での重症者の年代別人数を表しています。円グラフはそれをグラフ化したものです。重症者が最も多い年代は、50歳代です。デルタ株が流行する以前は80歳代でしたので、重症化する年代が59歳以下に変わってきています。
恐ろしいことに、10歳代の子供や30・20歳代の若者も重症化しています。デルタ株の感染が主流となった今では、若者も「軽く済む。重症化しない」と油断していてはいけません。
感染してから後悔しても遅いです。若者も早めにワクチンを接種することを勧めします。
国内の重症者は日を追うごとに増加
このグラフは、東京都の入院者数を表したものです。青が入院者のうち軽症と中等症を、橙は重症者を表しています。入院する患者が一定の割合で増えていることが分かります。
感染が爆発的に増えてきているにも関わらず入院患者の増加が現実とマッチしていません。
- デルタ株は感染力は強いが重症化する人の割合は少ない?
- 病床数に限りがあるので調整が必要になってきており、本来入院させるべきほど病状が悪化してきていても自宅療養させなくてはいけくなった。
- 保健所が対応できる人数を超えており、入院する患者の数が保健所の職員の数で規定されている。
などの理由が考えられます。
感染者の増加と入院者の増加が一致しないのは、感染増加に合わせて保健所も病院も十分な対応が困難になってきていることの表れと言えます。このまま感染増が進めば確実に医療崩壊が起きます。医療の崩壊を防ぐには、感染者数を減らし、重症化する患者を減らす必要があります。
新型コロナウィルス感染症の患者を減らす切り札はワクチンであることは言うまでもありません。
「自粛生活はうんざり」と思っている方がほとんどと思います。感染者を減らしコロナ以前の自由な生活を取り戻すには、短期間で国民の多くがワクチンを接種することが最もベターな手段です。
接種券が届いたらできるだけ早く予約をし、接種するようにしてください。
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