新型コロナワクチン発熱時の解熱鎮痛剤に最適はカロナール
ワクチン接種後、特に2回目接種後は、3人に1人の割合で、発熱、頭痛などの全身性副反応が起こります。これはワクチンに対する免疫反応のひとつで、通常2日程度で治まる人がほとんどです。
しかし、ワクチン接種時に別な薬を飲むと、ワクチンの効果が低下するのではと、解熱鎮痛剤の使用に不安を持つ人がいるようです。
発熱に対し消炎作用の少ないカロナール(アセトアミノフェン)の使用が最も推奨されると考えています。
厚労省が推奨している解熱剤には、
- 非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)
ロキソニン、ボルタレンなど - 炎症をおさえる作用が少ない解熱鎮痛剤(アセトアミノフェン)があります。
医師から処方されるのはカロナールです。
この中で、発熱に対しカロナール(アセトアミノフェン)の使用が最も推奨されると考えています。
ロキソプロフェン(いわゆるロキソニン)などのNSAIDsと呼ばれる消炎鎮痛剤も使用は問題ないとされていますが、ワクチン接種は免疫応答を及ぼすのが目的であるため、免疫応答を減弱させるNSAIDsよりは、そういった消炎作用の少ないカロナール(アセトアミノフェン)の方がベターと考えます。
通常、医師は新型コロナワクチンの副反応対策にカロナール(アセトアミノフェン)系の解熱鎮痛剤を処方するそうです。感染に対する免疫応答を邪魔せずに解熱することができるからです。
カロナール(アセトアミノフェン)とは?
カロナール(アセトアミノフェン)またはパラセタモールは、解熱鎮痛薬の一つです。
主に発熱、寒気、頭痛などの症状改善に用いられ 1877年に発見され、米国と欧州で最も利用される鎮痛薬・総合感冒薬です 。
関節炎、痛風、腎結石、尿路結石、片頭痛、疼痛、歯痛、外傷、生理痛、腰痛、筋肉痛、神経痛、小規模から中規模な手術後などの鎮痛目的で使用されています。解熱鎮痛薬の中では副作用が最も少ない部類に入る(副作用がないわけではない)ため、多くの疾患で第一選択薬として使用されています。
ウィキペディアより
アセトアミノフェンは、日本では第2類医薬品として、タイレノールやノーシンが販売されています。処方箋医薬品としてはアセトアミノフェン単剤として「カロナール」をあゆみ製薬が販売しています。
薬局でも購入できる薬なら、処方してもらうよりも薬局で購入する方が安く済む
なお、アセトアミノフェン系の鎮痛剤は薬局でも販売されており、医師から処方していただくよりも、患者が直接薬局で購入する方が安くなります。
医者に処方してもらうと、処方代に加え、調剤薬局の費用が追加されます。
調剤薬局の料金は、「調剤技術料」「薬学管理料」「薬剤料」「特定保険医療材料料」等があります。
鎮痛剤や抗アレルギー剤、整腸剤などは薬局でも売っています。そうした薬は、わざわざ医療機関を受診しなくてもいいため、病気の種類や症状に合わせて病院と薬局をうまく使い分けると薬代を節約することができます。
薬局で売っているアセトアミノフェン系の鎮痛剤
アセトアミノフェン系の鎮痛剤は、多くの製品がありますので、売り切れていることはまずないです
アセトアミノフェン系の鎮痛剤はたくさんありますが、薬局に行っても「カロナール」は売ってはいません。売り切れてしまったと思ってあきらめる人がいますが、薬剤師さんに効けばアセトアミノフェン系の鎮痛剤を教えてくれます。多くの製品がありますので、売り切れていることはまずないです。
売り切れていることはありませんから、薬局へ行ったら「解熱剤のカロナールはありますか?」と聞くと、薬剤師さんが教えてくれます。
カロナール(アセトアミノフェン)系の鎮痛剤
アセトアミノフェンを含む薬は次のようなものがあります。
アセトアミノフェンのみが有効成分の薬
アセトアミノフェンのみを薬理成分として含む市販薬には、小児用バファリンCⅡ、小児用バファリンチュアブル、バファリンルナjのように子ども用の市販薬の他に、15歳以上で服用するタイレノールA、ラックルがあります。
*同名の薬でアセトアミノフェンを含まない物もありますので、購入時に成分が「1錠中 アセトアミノフェン・・・300mg」と書いてあるものを買うようにしてください。
市販で販売されている「タイレノールA」「ラックル」は有効成分「アセトアミノフェン」となり違いはありません。含有量は医療用医薬品においてカロナール錠300mgという薬が「ラックル」「タイレノール A」1錠あたりと同量のお薬となります。
子供向けの鎮痛剤である、小児用バファリンCⅡ、小児用バファリンチュアブル、バファリンルナjはアセトアミノフェンの含有量が抑えてあります。大人用は通常300mgとなっていまが、子ども用は年齢に応じて100mg・200mgの物があります。
カロナール と同じ 有効成分配合
ラックル速溶錠 タイレノールa バファリンルナJ カロナール と同じ 有効成分
他の有効成分と一緒に配合されている複合薬
アセトアミノフェンが多く含まれる市販薬です。他の成分も含まれていますので、購入時には薬剤師に新型コロナワクチンの副反応対策として購入することを伝え安全か確認してから購入するようにしてください。
など多くのアセトアミノフェンを含む薬が市販されています。
解熱剤を飲むタイミング
正しくは、熱が出てから飲む
新型コロナワクチンによる副反応のため発熱・頭痛をおさえるために服用する場合、接種後にカロナールだと1日食後と寝る前の4回飲むことになります。ロキソニンだと1日食後の3回飲んでください。
「解熱剤を飲むタイミング」について、厚労省のQ&Aでは次のように回答しています。
ワクチンを受けた後、症状が出る前に、解熱鎮痛薬を予防的に繰り返し内服することについては、現在のところ推奨されていません。
事前に接種するとワクチンの効果が低下する恐れがあるため、発熱後、薬で熱を下げた方がよいと判断してから飲むようにしてください。
カロナールなら事前に飲んでおくこともできる?
これは推奨されない方法ですが、接種翌日はどうしても仕事や学校を休むことが出来なくなった方や発熱が心配でたまらない方は、接種当日の朝からカロナール(アセトアミノフェン)を飲んでおくと副反応が起きても症状を和らげることができます。カロナール(アセトアミノフェン)なら免疫反応に影響を及ぼす確率は低いので事前に飲んでも影響は少ないと考えられます。
なお、私の主治医はカロナールを処方したので、「心配であれば、接種日の朝から飲んでおくと、副反応が軽減されますよ」とおっしゃいました。ロキソニンは事前に飲むと、免疫応答を減少させる恐れがあります。それに対して、カロナールは作用が強くありませんので影響はロキソニンと比較して少ないと思われます。
接種翌日はどうしても仕事や学校を休むことが出来なくなった方や発熱が心配でたまらない方は、症状を軽減する目的で事前に飲んでおく方法もあります。しかし、厚労省は発熱後に飲みように勧めていますのでその点も考慮して判断してください。
参考資料 1;カロナール(アセトアミノフェン)の使い方
用法・用量
- 頭痛、腰痛症、歯痛、変形性関節症などの鎮痛:通常、成人は1回1.5〜5錠(主成分として300〜1,000mg)を服用し、服用間隔は4〜6時間以上とします。治療を受ける疾患や年齢・症状により適宜増減され、必要に応じて1日20錠(4,000mg)まで増量されることがあります。
急性上気道炎の解熱・鎮痛:通常、成人は1回1.5〜2.5錠(主成分として300〜500mg)を頓用します。原則として1日2回までとし、年齢・症状により適宜増減され、1日最大7.5錠(1,500mg)まで増量されることがあります。
小児科領域における解熱・鎮痛:通常、幼児および小児は1回体重1kgあたり主成分として10〜15mgを服用し、服用間隔は4〜6時間以上とします。年齢・症状により適宜増減され、1日最大60mg/kgまで増量されることがありますが、成人用量(1回最大用量500mg、1日最大用量1,500mg)を超えることはありません。
本剤は1錠中に主成分200mgを含有しています。
いずれの場合も空腹時の服用は避けてください。必ず指示された服用方法に従ってください。 - 飲み忘れた場合は、気がついた時にできるだけ早く飲んでください。ただし、次の通常飲む時間が近い場合は、忘れた分は飲まないで1回分を飛ばしてください。絶対に2回分を一度に飲んではいけません。
- 誤って多く飲んだ場合は医師または薬剤師に相談してください。
生活上の注意
- アセトアミノフェンの過量服用により肝機能障害が起こる可能性があるので、この薬を服用している間は、アセトアミノフェンを含む他の薬(市販のかぜ薬などにも含まれていることがあります。)を服用しないでください。
- この薬を高用量(アセトアミノフェンとして1日1,500mgを超える場合)で長期間服用する場合は、定期的に肝機能検査が行われます。その場合には、指定された日時に検査を受けてください。
- 飲酒はこの薬の副作用を起こしやすくする恐れがありますので、服用中の飲酒は控えてください。
副作用
主な副作用として、過敏症(発疹)、嘔吐、食欲不振、出血時間の延長などが報告されています。このような症状に気づいたら、担当の医師または薬剤師に相談してください。まれに下記のような症状があらわれ、[ ]内に示した副作用の初期症状である可能性があります。
このような場合には、使用をやめて、すぐに医師の診療を受けてください。
- 呼吸困難、全身潮紅、じんま疹[ショック、アナフィラキシー]
- 高熱、紅斑・水疱、関節痛[中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、急性汎発性発疹性膿疱症]
- 息苦しい、喘鳴[喘息発作の誘発]
- 全身けん怠感、食欲不振、皮膚や白目が黄色くなる[劇症肝炎、肝機能障害、黄疸]
- 咽頭痛、発熱、筋肉痛[顆粒球減少症]
以上の副作用はすべてを記載したものではありません。上記以外でも気になる症状が出た場合は、医師または薬剤師に相談してください。
保管方法その他
- 乳幼児、小児の手の届かないところで、直射日光、高温、湿度を避けて保管してください。
- 薬が残った場合、保管しないで廃棄してください。
参考資料 2;市販の痛み止めに使う四つの成分
市販の痛み止めでよく使われる薬に四つの成分があります。4つの成分の特徴を理解して、薬局で購入する時にはあなたの症状に合わせて最も適した薬を薬剤師と相談しながら購入してください。
- アセチルサリチル酸(アスピリン)
- イブプロフェン
- ロキソプロフェン
- アセトアミノフェン
です。他にもあるのですが、これらの成分が鎮痛薬市場の四大勢力といっていいでしょう。
アセトアミノフェン
アセトアミノフェンは効き目が穏やかな薬です。他の三つの薬と違い、胃への負担の心配がなく、何より胎児や小さな子供への影響が少ないことから、妊婦さんやお子さんにも使いやすいという特徴があります。
医療用の薬はカロナールといい、代表的な市販薬には「タイレノールA」があります。
アセトアミノフェンの欠点は、炎症を抑える効果が弱いことです。アセトアミノフェンには炎症を抑える作用はほとんどないと考えられています。そのため市販薬においては、関節痛や歯の痛みなどの炎症を伴う痛みには、別の薬を選ぶ方が好ましいとされています。また、効果もマイルドです。
他の痛み止めと比べると、効果で見劣りするかもしれません。
ロキソプロフェン
ロキソプロフェンは、「ロキソニンS」等の成分です。胃への副作用が少ない痛み止めとして開発されました。
ロキソプロフェンの主成分は「ロキソプロフェンナトリウム水和物」で、1986年に開発されました。
もとは劇薬指定されていた成分ですが、安全性再評価等を経て市販薬として発売されたのは2011年。2015年からは、多くの製薬会社からロキソプロフェン配合の一般用医薬品が発売されています。
開発から30年の時を経て、通常に手に入れることができるようになったのです。
ロキソプロフェンは、
- 鎮痛作用
- 抗炎症作用
- 解熱作用
の3つにバランスよく作用します。ロキソプロフェンには、痛みや発熱の元となる物質、プロスタグランジンを体内で作られるのを抑える働きがあるため、鎮痛や解熱に効果があるのです。
イブプロフェン
イブプロフェンはアセチルサリチル酸(アスピリン)の弱点を克服するために作られた薬です。イブプロフェンは日本では頭痛・生理痛薬の成分として、「イブ」シリーズをはじめ多くの商品に使われています。
痛みや熱の原因物質であるプロスタグランジンの体内での合成を抑え、鎮痛、解熱効果を発揮する他、抗炎症作用もあります。頭痛や関節痛、生理痛の他、かぜによるのどの痛みの緩和や解熱にも使用され、解熱鎮痛薬としてだけでなく、総合感冒薬(かぜ薬)にも配合されています。
アセチルサリチル酸(アスピリン)
ヤナギの木の抽出物を分解したサリチル酸を元に作られた成分で、高い鎮痛作用が評価され、世界中で使われるようになりました。現代においては痛み止めというよりも、血栓をできにくくする薬(抗血小板薬)として認知されています。
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