新型コロナウイルスのワクチン接種を証明する「ワクチンパスポート」について、政府は、発行が始まるのは今月下旬になるという見通しを示しました。
「ワクチンパスポート」とは
いわゆる「ワクチンパスポート」は、正式には「新型コロナウイルスワクチン接種証明書」と言います。新型コロナウイルスのワクチン接種を受けたことを証明するものです。
当面は、海外への渡航に必要なパスポート=旅券を持っている人を対象に、市区町村がワクチンの接種記録をもとに書面で発行し、氏名や国籍、旅券の番号のほか、ワクチンを接種した日付などが記載されることになっています。
ワクチンパスポートを持っていれば入国制限を緩和するなどといった海外の動きを踏まえて、日本でも導入されることになったんです。
夏休みのシーズンに間に合わせることで、打撃を受けた観光業の立て直しにつなげる効果が期待されています。
申請、発行手続き
「ワクチンパスポート」は、国の接種記録システム(VRS)の情報をもとに自治体が申請者に発行します。
申請は各市町村の申請書を窓口、郵送も可
市区町村は、申請書を窓口あるいは郵送で受理し(将来的には電子申請を目指す)、ワクチン接種記録システム(VRS)を使用して審査・入力したのち、窓口あるいは郵送で交付します。
申請に必要な書類
申請に必要な書類は、申請書、旅券、接種券、接種済証か接種記録書です。
申請書以外については、郵送の場合、写しを郵送することになります。
手数料は無料
当面の間、申請者への手数料は求めず、発行にかかる事務費は国費でまかなう。
記載される内容
ワクチン接種証明書には、パスポート情報に加えて、接種したワクチンの種類、メーカー、製品名、製造番号、接種日、接種国などが日本語と英語で併記されます。
海外の利用状況
ヨーロッパを中心に導入が進んでいます。
ドイツ、イタリア、ギリシャ、チェコなどは、ワクチンパスポートをすでに導入済みです。EU=ヨーロッパ連合も、域内共通の「デジタルコロナ証明書」の運用を7月1日から本格的に開始します。
ワクチンパスポートの活用
コロナ禍において停滞した社会経済活動を正常化させるためには、ワクチンを接種し感染を防ぐことが最も効果的です。ワクチン接種記録の活用には、
- 出入国の際にワクチン接種記録を提示することで、空港での検疫手続きの迅速化、隔離の免除、または隔離期間が緩和されるなどの出入国時の活用
- ワクチン接種記録の提示によって会場やイベントへの入場時の要件が緩和されたり、さまざまなサービスやキャンペーンが受けられたりするなどの国内における活用
の二つの方向があると考えられます。海外旅行だけでなく、今後の国内の活用としては、
- 「各種割引」
ワクチンパスポートを提示すれば、飲食の代金や施設の利用料が割り引かれたり、ポイントが付いたりするというもの。 - 「国内移動」
陰性証明書も組み合わせて、国内ツアーの参加や移動の自粛制限を緩和するもの。 - 「優先入場」
イベント会場や競技場への「優先入場」 - 「活動制限の緩和」
今夏の観光シーズンまでに新制度を成立させ、経済の立て直しを後押しする。
スマートフォン等のアプリに搭載するものを想定していますが、日本では早く発行をするため、当面は紙面で発行します。
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