「豊田市モデル」で効率的にワクチン接種

新型コロナウィルス感染症

「豊田市モデル」とは?

「豊田市モデル」とは、ワクチン接種会場でも無駄なくスピーディーに大量のワクチン接種を行う仕組みのことです。このモデルは、豊田自動車が車を最も効率的に組み立てる際に行っている「トヨタ生産方式」を応用しています。

 

効率を上げる

物流

トヨタ自動車の工場内に設置された会場では、トヨタのほか、宅配大手のヤマト運輸もワクチン輸送や会場運営に協力しています。

ヤマト運輸はドライアイスを使用せず超低温氷と専用容器を使用した専用保冷箱にワクチンを格納し、接種会場までの移送・保管を一貫して専用保冷箱内で行います。これにより、超低温冷凍庫から取り出した後もワクチンをマイナス60度以下にキープすることができます。

豊田市は市域内の18の集団接種会場と個別接種医療機関への輸送でワクチンメーカー推奨保管温度(マイナス90度からマイナス60度)を保持して安全性を確保するとともに、接種会場では電源や冷蔵設備などに左右されない安全なワクチン保管を実現。接種会場の提供とスタッフの派遣によって接種体制も確保することができています。

 

接種会場

「トヨタ生産方式」とは、自動車の生産工程のむだを排除して効率を高め生産性を向上させるノウハウです。ワクチン会場でも「トヨタ生産方式」を応用した会場作りでワクチン接種の大量化・効率化を実現しています。

会場のレイアウト

具体的には、受け付けにかかる時間などに加え、接種を受けるために腕をまくる時間など、訪れた人の接種を終えるまでの行動を一つ一つ細かく計算したうえで、スタッフの配置やレイアウトを決めているほか、訪れた人が会場内を何度も往復せずに最短のルートで接種を終えられるようレイアウトを工夫したり、順路を色や絵などで案内する看板を設置したりしています。

受付の工夫

また、必要な書類は会場の入り口でチェックして、不足があればその場で記入してもらい、受け付けが滞るのを防いでいるほか、ワクチンは必要な量を直前まで現場で見極め、むだが極力出ないようにしています。

IT機器利用

さらに、接種を終えた人をシステムに登録するため、タブレット端末で18桁の個人の識別番号を読み取る工程では、手動で行うと時間がかかることから、端末を固定して瞬時に読み取りができるよう工夫しています。

一日最大3000人接種

トヨタは、市南部にある工場の厚生施設など、四つの会場を提供。産業医や看護師だけでなく、会場の運営要員や通訳も含め、十二月までに延べ五千人を無償で派遣します。その結果、一日に最大三千人が接種できるようになります。

 

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