全身免疫とは
「粘膜免疫」を突破して体内に病原体が侵入すると、次の防御の仕組みが働きます。これが「全身免疫」です。
全身免疫は、
- 自然免疫
- 「獲得免疫
の二つの仕組みからなります。
自然免疫
病原体の侵入後、直ちに働きます。
白血球の一種である「好中球」「マクロファージ」が病原体を飲みこみます。一方で、全身を常にパトロールしているリンパ球の一種「NK(ナチュラルキラー)細胞」は、外敵が侵入すると即座に攻撃し、病原体に感染した細胞をも直接破壊します。
獲得免疫
自然免疫に続いて、獲得免疫が働きます。
外敵が侵入したとことの知らせを「ヘルパーT細胞」が受け取ると、ヘルパーT細胞は周囲の免疫細胞に対して「増殖しろ」「分化しろ」と働きかけ、言わば司令塔の役割を果たします。その命令を受けると、「キラーT細胞」や「NK(ナチュラルキラー)細胞」は活性化し病原体を攻撃します。「好中球」は病原体の侵入場所に集まります。また、B細胞と呼ばれるリンパ球の一種は分化して病原体を無効化する「IgA」「IgG」などの抗体を産生します。
生命の科学 第2版 Vol.8 人体の防御システム 防御のしくみ
本ムービーは『生命の科学 第2版 Vol.8 人体の防御システム 防御のしくみ』のサンプルムービーです。 詳細は下記のURLを参照ください。 https://www.igakueizou.co.jp/product/…
免疫学的記憶
リンパ球の一種「B細胞」の一部は「メモリーB細胞」となり、侵入した病原体を記憶し、長期にわたって生体内で生き続けます。そして、次に同じ病原体が侵入したときにその病原体を封じ込められるよう、事前に備えています。このような「免疫学的記憶を持つ」ということが、獲得免疫の大切な働きです。
刺激を受けたヘルパーT細胞とB細胞の一部は記憶細胞となって体内に残ります。
記憶細胞は同じ抗原が体内に侵入したときには,初めて侵入してきたときよりも抗体を速やかに大量に産生します。この反応を二次応答と呼びます。
「 1 度かかった病気にはかかりにくい」のは,この二次応答が働くためです。
コメント
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