子どもや健康上の都合でワクチン接種が出来ない人達を守る

ワクチン 対策

ワクチンは高い効果を発揮している

現在、日本で接種が行われているファイザー・モデルナの両新型コロナワクチンは、いずれも、新型コロナウイルス感染症の発症を予防する高い効果があり、また、重症化を予防する効果が期待されています。 効果の持続期間も、感染を予防する効果についても、接種者数の増加に伴い研究が進み数年効果が持続すると予想されています。

悲惨なコロナ禍を乗り切るには、ファイザー・モデルナの両新型コロナワクチンを国民の多くが摂取することが、現時点で最も効率的でリスクが少ない方法と考えられます。

しかし、12歳以下のお子さんや健康上の都合でワクチンを接種できない人もいます。ここでは、家族や同僚・友達にワクチンを接種できない方がいる時に、どのようにこの人たちを新型コロナウィルスから守るか考えていきたいと思います。

 

新型コロナウィルス感染症に感染したらどうなるか

12歳以下のお子さんや健康上の都合でワクチンを接種しなかった人は、今後も新型コロナウィルスを曝露すれば、高い確率で感染する恐れがあります。

まず、私たちがPCR検査で「陽性」と判定された場合、保健所はどのように対応をし、感染者はどうしなければいけないのかを知っておきましょう

1 「陽性」と判定されると保健所から連絡が来る

一般的には、医療機関等から検査結果が「陽性」の連絡を受けた「当日」又は「翌日」には保健センターから連絡があります。

感染した方は、お住いの区の保健センターの職員の指示に従ってください。

2 症状や過去14日間の行動の調査

保健所は、感染が判明した方の症状や過去14日間の行動歴を聞き取ります積極的疫学調査)。

また、同居している人や一緒に食事をした人、職場の同僚との接触状況などを確認します。

この聞き取りを踏まえて、入院の必要性や検査対象者等の有無を判断します。

保健所から濃厚接触者やPCR検査が必要と判断された方の氏名や連絡先を伺いますので、14日間に接したへ保健センターから連絡があることについて、事前に連絡をしなくてはいけません。

なお、学校・会社等に状況、感染防止への対策等、確認し、必要であれば濃厚接触者の有無について調査することになります。

積極的疫学調査で確認する事項の例

  1. 基本情報の確認
    住所・氏名・年齢・仕事や通学先の内容・家族構成・基礎疾患の有無 など
  2. 症状の経過
    発症日・症状・医療機関へ受信状況 など
  3. 行動調査
    発症14日間前からの行動歴・接触者の有無 など

3 積極的疫学調査の結果、PCR検査が必要と判断された方

積極的疫学調査の結果、PCR検査が必要と判断された方は、保健センターが案内する場所等で、PCR検査を受けることになります。

検査の結果、「陰性」と判定された場合、一度「陰性」となった場合であっても、数日後に風邪症状などの症状が出現し、再度PCR検査を実施したところ「陽性」となる場合もあります。そこで、つぎのような指示が来ます。

  1. 濃厚接触者
    PCR検査が陰性であっても、14日間の自宅待機となります。最終接触日から14日間は、不要不急の外出を控え、保健センターの指示に従って生活しなくてはいけません。
  2. 濃厚接触者以外でPCR検査を受けた人
    濃厚接触者のような、14日間の自宅待機は不要です。

濃厚接触者とは

濃厚接触者とは、感染者の感染の可能性がある期間(発症の2日前から入院または自宅等での療養の開始までの期間)に接触した方のうち、次の範囲に該当する方で、積極的疫学調査の結果から保健センターが判断します。

  • 感染者と同居あるいは長時間の接触(車内、航空機内等を含む)があった方
  • 感染者の気道分泌液もしくは体液等のウイルスに直接触れた可能性が高い方
  • マスクなど適切な感染防護無しに感染者を看護若しくは介護していた方
  • その他:手で触れる距離(目安1メートル)で、必要な感染予防策なしで、感染者との15分以上の接触があった方(周辺の環境や接触の状況等個々の状況から患者の感染性を総合的に判断)

 ※国立感染症研究所「新型コロナウイルス感染症患者に対する積極的疫学調査実施要領」参考

待機、入院について

「現在の症状」、「年齢」、「基礎疾患の有無」などの状況により、原則、入院又は宿泊療養をします。

入院

保健所から入院先の案内が来たら、入院の準備(入院に必要な物品等は保健が教えてくれます。)をします。なお、自宅から入院先の病院までは、保健所の職員等が搬送します。

宿泊療養

軽症及び無症状の方は、原則、宿泊療養施設(ホテル)での療養となります。事前に保健所から準備物や注意事項等の説明があります。その後、宿泊施設への入所時間等を調整します。なお、自宅から宿泊療養施設までは、保健所の職員等が搬送します。

自宅待機

無症状等の方で、宿泊施設での療養が困難な方等については、自宅療養となる可能性があります。

元の生活への復帰について(就業・就学制限の解除)

症状が出始めた日から10日間(症状のない人は、検査のための検体採取日から10日間)が経過し、かつ、症状軽快後72時間が経過すれば、退院または宿泊療養施設あるいは自宅での療養が解除されます。
 退院、あるいは宿泊療養・自宅療養が解除されれば、就業・就学制限は解除され、元の生活へ復帰できるようになります。

期間計算のイメージ
期間計算のイメージ図
 ※厚生労働省「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第4.2版<外部リンク>」抜粋

就業制限解除等の基準

区分基準
有症状者発症日から10日間経過かつ症状軽快後72時間経過した場合
無症状者検体採取日から10日間経過した場合
濃厚接触者陽性者との最終接触から2週間の健康観察期間が終了した場合
(濃厚接触者は患者ではありませんが、新型コロナウイルスの潜伏期間中は発症の可能性があるため、不要不急の外出はお控えください。)

 

新型コロナ対策は自分が感染しないようにするだけでは不十分

新型コロナウィルス感染症に感染した人がいる場合、感染者本人だけでなく、感染者と発症前14日間で親しく接した人すべての人が生活を制限しなくてはいけません。

身近な人が新型コロナに感染した場合、どうなるかを知ることで、「子どもや健康上の都合でワクチン接種が出来ない人達を守る」ことが、ワクチン接種が出来なかった人の健康・生命を守るだけでなく、私たち自身の生活を守るためでもあることがよく理解できたと思います。

家族・友達・学友・同僚など身近な人が新型コロナに感染すると、あなたは新型コロナ感染しているかもしれない容疑者として扱われてしまうのです。濃厚接触者となれば、14日間自宅待機をしなくてはいけなくなり、家から出ることが出来なくなり、職場や学校へ行くこともできません。

それだけではありません。病気の苦しみ、感染しているかもしれないと言う不安だけでなく、周りの人に感染させてしまったかもしれないと言う精神的苦痛を味わうことになります。新型コロナに感染してしまった、濃厚接触者になってしまったことへの後悔と周りに迷惑をかけてしまった苦しみがあなたを襲ってくるのです。

さらに、マスコミ・世間の目もあり、負い目を感じて生活しなくてはいけません。

新型コロナ対策は自分が感染しないようにするだけでは不十分です。職場・学校などあなたの家庭・市民生活するすべての場で感染対策が徹底できていないと、いつ火の粉が降りかかるわ分からないのです。

イスラエルの研究から分かった新型コロナワクチンの効果

世界でも最もはやくファイザー製のワクチンを国民の多くが接種したイスラエルの研究結果では、いずれも高い効果があることが示されています。

イスラエルで、

①ワクチン接種済みの人と
②ワクチン未接種の人、各約60万人(合計約120万人)

を比較して、ファイザーワクチンの有効性を検証した結果は、以下のようになっています。

  1. 感染を防ぐ効果:46%(1回接種後) 、92%(2回接種後)
  2. 発症を防ぐ効果:57%(1回接種後) 、94%(2回接種後)
  3. 入院を防ぐ効果:74%(1回接種後) 、87%(2回接種後)
  4. 重症化を防ぐ効果:62%(1回接種後)、92%(2回接種後)

ワクチンを接種することによって、自分の感染、発症、重症化のリスクをいずれも減らすことができ、そして、周囲の人に感染させるリスクも減らすことができることになります。

ワクチンを接種できない人を守る

ワクチンを接種した人は、90%以上発症を予防することができるので、感染リスクは極めて低くなります。しかし、接種できていない人は、そうではありません。

ワクチンを接種できない人がいるケースは次の3通りあります。

  1. 12歳未満のお子様はワクチンを接種できません。
  2. 既往症やアレルギーがある為、健康上理由でワクチン控えるように医師から言われている場合は接種できません。
  3. ワクチンを打ちたくないと拒否している人も打つ必要はありません。

ワクチンを接種しない、接種できない家族を守るには、周囲の成人が積極的にワクチンを接種し免疫を獲得することが重要です。

集団免疫

16歳以上の約4万人を対象とした研究では、2回接種後のワクチン効果は95%(95% 信頼区間、90.3~97.6)で、発症を予防する高い効果が報告されています。

周りがワクチンを接種することで、ワクチン非接種者への感染が予防できるようになり、職場や学校・家庭内感染を防ぐことが出来るようになります。

日本国民の70%がワクチンの接種を完了すれば、私たちは新型コロナ流行以前の日常を手に入れることが出来るようになるのです。

 

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