RaTG13は雲南省の墨江ハニ族自治県にある鉱山の坑道で発見されたウイルス、これが、新型コロナウイルスの始祖ウイルスだった?

新型コロナウィルス感染症
coronavirus covid-19 pandemic outbreak virus background concept

機能獲得実験とは

機能獲得実験とは、ある遺伝子の機能を調べる際にその遺伝子の機能・発現量を増強させて得られた表現型から機能解析する実験手法。

逆に遺伝子の機能や発現量を減弱させる実験は機能欠失実験と呼ばれる。 また、機能欠失実験によって得られた表現型を機能獲得実験により正常な表現型に回復させる実験を特にrescue実験と呼ぶ

武漢ウイルス研究所(WIV)はウイルスの病原性や感染性を強める「機能獲得型」研究を行なっており、新型コロナウィルスは、ここから流出した可能性も否定できない。

 

疑うしかない新事実

武漢の研究所が長年、コウモリのいる洞窟で何種類ものコロナウイルスを収集してきたこと。その多くは2012年にSARS(重症急性呼吸器症候群)のような症状を起こして3人の鉱山労働者が死亡した銅鉱山で見つかったもので、新型コロナと最も近縁なウイルスもそこに含まれるとみられている。

また、武漢の研究所はこれらのウイルスを使ってさまざまな実験を行なっていたが、安全管理はお粗末で、曝露や流出の危険性があったことも明らかになった。研究所も中国政府もこうした活動を外部に知られないよう、ひた隠しにしていたのだ。

さらに、新型コロナの発生源とされた武漢の華南海鮮市場で最初の集団感染が起きるよりも何週間も前に、既に感染者が発生していたことも分かった。

以上から、新型コロナウィルスが、研究所から出た可能性を疑い、本格的な捜査を行うに足る理由がある。

「流出説」を揉み消した大物の正体

「珍しい動物の取引で生まれたおかしなウイルス」と主要メディアがそう報じた。

そう主張した科学者の筆頭格がピーター・ダザック。
パンデミックを起こす可能性がある自然界の病原体について大規模な国際調査を行う非営利の研究機関、エコヘルス・アライアンスの代表だ。

ダザックは、武漢ウイルス研究所に所属するコウモリのウイルス研究の第一人者、石正麗(シー・ジェンリー)と長年共同研究を行なってきた。十数本近い論文を共同執筆し、分かっているだけで60万ドルの米政府の助成金を彼女に回してきた。

ダザックが研究所流出説を潰すための公開書簡の作成を主導したことが分かっている。彼は書簡の草案を作成し、仲間の科学者たちに署名させて、それが幅広い科学者の見解を示すものに見えるように画策したのだ。

ダザックは、研究所流出説を「不合理」「根拠に欠ける」「完全なでたらめ」と一蹴した。彼はまた、同研究所につながる証拠を発表した複数の科学者を攻撃。研究所流出説が理にかなわない理由の一部として、武漢ウイルス研究所では、新型コロナウイルスに少しでも似ているウイルスを一切培養していなかったと主張した。

 

コウモリウイルスの専門家、石正麗

「新型コロナウイルスは、数えきれない人の命を奪い、大勢の人の生活を破壊した。多くの謎も残しているのに、その追跡調査が行なわれていない。人類には答えを知る権利がある」

RaTG13がその「答え」の一部を解明する上での鍵を握っているのではないかと確信するようになった。

RaTG13の遺伝子配列が、石正麗が何年も前に発表した論文に記されていた遺伝子コードの一部と完璧に一致した

この遺伝子コードは、武漢ウイルス研究所が雲南省のコウモリから発見したウイルスのものだった。

RaTG13は雲南省の墨江ハニ族自治県にある鉱山の坑道で発見されたウイルスだ。

RaTG13は雲南省の墨江ハニ族自治県にある鉱山の坑道で2012年に見つかり、その時、コウモリの糞を除去していた男性6人が肺炎を発症し、そのうち3人が死亡していた。

この男性6人は、ヒトが新型コロナウイルスの始祖ウイルス(おそらくRaTG13かそれに類似したウイルス)に感染した初めての症例だったのではないか思われる。

石正麗は、複数の鉱山労働者が死亡した墨江ハニ族自治県の鉱山について調査を行なったことを認めている。だが彼女は、作業員たちは洞窟の中の「真菌(カビ)」が原因で死亡したと主張した。

RaTG13が原因であることを隠すためである。

修士論文、タイトルは「未知のウイルスによる6人の重症肺炎患者の分析」

患者1人1人の症状と治療の進展を事細かく述べた上で、執筆者は疑わしい「犯人」を挙げていた。

「シナキクガシラコウモリ、あるいはその他のコウモリ由来のSARSのような(症状を引き起こすコロナウイルス)」の仕業だ、と。

2012年にSARSウイルスに似たウイルスが見つかり、その事実が隠蔽され、武漢の研究所が問題の鉱山からさらにサンプルを採取して持ち帰るためにスタッフを派遣したのだ。

【参考】
「研究所流出説」を甦らせた素人ネット調査団、新型コロナの始祖ウイルスを「発見」!
【新型コロナ】中国の生物兵器完成を許すな
バイデン政権が新型コロナ発生源究明へ調査強化、武漢研究所も対象

※後編はこちら:武漢研究所は長年、危険なコロナウイルスの機能獲得実験を行っていた

 

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