世界初の無作為化試験で実証
保健管理センター・川村 孝(京都大学教授)の行った研究によりますと、日本人が風邪予防として習慣的に行っている「うがい」が風邪予防に効果を上げるという研究結果が出ています。
研究内容
ボランティア387名を募り、くじ引きで
- 水うがい
- ヨード液うがい
- 特にうがいをしない
の3つのグループに分かれ、2ヶ月間にわたって割り付けられたうがい行動をとってもらって風邪の発症を追跡しました。
結果
風邪の発生率
- うがいをしないグループは、1ヶ月あたり100人中26.4人が発症
- 水うがいグループは、17.0人が発症
- ヨード液うがいグループは、23.6人が発症
・水うがいをした場合の発症確率はうがいをしない場合に比べて40%低下する。
・一方ヨード液うがいでは12%の低下にとどまり、統計学的にも意味のある抑制効果は認められなかった。
考察
水道水でのうがいの効果
- がらがらうがいによって、口の中で水の乱流が起きる。水の動きによってウィルスや埃の中に含まれるウィルスにかかりやすくするプロテアーゼという物質が洗い流される
- 水道水に含まれる塩素が何らかの効果を発揮した
ことなどが考えられます。
うがいをすることで、口の中を綺麗に洗い流すことで、口の中やのどの粘膜についている細菌やウイルスを洗い流すことができます。口の中の乾燥によるネバツキを解消したり、口臭を予防したりすることができきます。
また、のどを潤して異物を痰とともに排出する繊毛という毛の運動を活発します。
ヨード液でそれほど効果が出なかった
薬が強すぎて、「常在菌まで殺菌してしまう」「口腔内やのどの粘膜を傷つけてしまう」という逆効果も出てしまうと考えられます。
うがいをするタイミングの方が大事
うがいが、風邪予防にどこまで役立つのかは確実には分かっていません。
- 毎日定期的にうがいを行うことはなかなかできない。
- ウィルスの感染スピードは極めて速く、うがいをしていない間に細胞に感染してしまう。
しかし、うがいをすると風邪予防に最も効果の上がるタイミングがあります。
- 外から帰って来た時
- 人込みに揉まれた時
- 口腔内や喉が乾燥してイガイガする時
です。このタイミングで、うがいに加え手洗いもするとさらに感染症予防につながります.
コメント
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