空間噴霧は屋外であっても、人の健康に有害となります

健康生活

厚生労働省、空間噴霧をおすすめしていません。

厚生労働省では、消毒剤や、その他ウイルスの量を減少させる物質について、人の眼や皮膚に付着したり、吸い込むおそれのある場所での空間噴霧をおすすめしていません。薬機法上の「消毒剤」としての承認が無く、「除菌」のみをうたっているものであっても、実際にウイルスの無毒化などができる場合は、ここに含まれます。

 

空間噴霧に関する国際的な知見

世界保健機関(WHO)は、新型コロナウイルスに対する消毒に関する見解の中で、

  1.  室内空間で日常的に物品等の表面に対する消毒剤の(空間)噴霧や燻蒸をすることは推奨されない
  2. 路上や市場と言った屋外においてもCOVID19やその他の病原体を殺菌するために空間噴霧や燻蒸することは推奨せず
  3. 屋外であっても、人の健康に有害となり得る
  4. 消毒剤を(トンネル内、小部屋、個室などで)人体に対して空間噴霧することはいかなる状況であっても推奨されない

としています。
参考:新型コロナウイルス対策ポスター「新型コロナウイルス感染症対策 消毒や除菌効果を謳う商品は、目的に合ったものを、正しく選びましょう。」

また、米国疾病予防管理センター(CDC)は、医療施設における消毒・滅菌に関するガイドラインの中で、「消毒剤の(空間)噴霧は、空気や環境表面の除染方法としては不十分であり、日常的な患者ケア区域における一般的な感染管理として推奨しない」としています。
参考:WHO「COVID-19に係る環境表面の洗浄・消毒」(2020年5月15日)
参考:米CDC「医療施設における消毒と滅菌のためのCDCガイドライン2008」

 

 

承認された「空間噴霧用の消毒剤」なし

これまで、消毒剤の有効かつ安全な空間噴霧方法について、科学的に確認が行われた例はありません。また、現時点では、薬機法に基づいて品質・有効性・安全性が確認され、「空間噴霧用の消毒剤」として承認が得られた医薬品・医薬部外品も、ありません。

安全面については、メーカーにおいて一定の動物実験などが行われているようです。ただ、消毒効果を有する濃度の次亜塩素酸水を吸いこむことは、推奨できません。空間噴霧は無人の時間帯に行うなど、人が吸入しないような注意が必要です。
なお、ウイルスを無毒化することを効能・効果として明示とする場合、医薬品・医薬部外品の承認が必要です。現時点で、「空間噴霧用の消毒薬」として承認が得られた次亜塩素酸水はありません。
 

【次亜塩素酸水」の空間噴霧について】参考:厚生労働省「社会福祉施設等における感染拡大防止のための留意点について(その2)」(令和2年4月7日)

 

人がいる空間への次亜塩素酸ナトリウム水溶液の噴霧は厳禁

特に、人がいる空間への次亜塩素酸ナトリウム水溶液の噴霧については、眼や皮膚に付着したり吸入したりすると危険であり、噴霧した空間を浮遊する全てのウイルスの感染力を滅失させる保証もないことから、絶対に行わないでください。
参考:厚生労働省「社会福祉施設等における感染拡大防止のための留意点について(その2)」(令和2年4月7日)

新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について

1 新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について
2 手や指などのウイルス対策
3 物に付着したウイルスを消毒;熱水・漂白剤編
4 物に付着したウイルスを消毒;洗剤編
5 物に付着したウイルスを消毒;次亜塩素酸水編
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7 空間噴霧は屋外であっても、人の健康に有害となります

 

 

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