CTからコロナ感染が判明
「気管支ぜんそくの発作で息苦しい」。土曜日の4月11日午後4時56分、救急患者に対応する「休日夜間急患センター」に事前連絡なしで70代男性が駆け込んできた。
コンピューター断層撮影(CT)検査をすると、両肺にはウイルス性肺炎に多いすりガラス状の影。男性は「(新型コロナの)PCR検査を2回受けて陰性だった」と話していたが、医師は「逆に疑わしい」とすぐに隔離室へ移して保健所に連絡。PCR検査の結果、午後9時に陽性と判明した。
完全防備でも感染
感染が判明したのは1週間後の同18日。女性は隔離室などで男性の看護に当たったが、マスクにフェースシールド、ガウン、手袋と完全防備。感染した看護師は「低リスク」だったが感染した。その後検査技師を含め4人が感染した。消毒前にウイルスが付着した可能性もあるとのこと。
PCR検査で感染を食い止める
検査技師は、2週間自宅待機。大型連休中に発熱したが、7日に出勤した。発熱が自宅待機期間の終了後だったため、PCR検査の必要はないとされるケースだったが、杉田裕樹院長が「念のために」と民間会社で検査を受けさせたところ、陽性だった。
その後、同僚らに感染はなく、拡大は食い止められた。
無症状でも感染するのがこの新型コロナウイルスの大きな特徴
無症状でも伝染を起こす。症状が現れる前に多くの人に感染を広げるのがこの新型コロナウイルスの大きな特徴なのだ。
ただ、無症状の段階でのPCR検査は精度が落ちる。たとえ陰性と判定が出ても、濃厚接触者は隔離生活を自主的に行うなど、この病院と同じく念には念を入れる対策が重要である。
WHO、最も感染力が強いのは発症時
世界保健機関(WHO)の専門家は9日、新型コロナウイルス感染症の初期症状が現れる時期にウイルスの感染力が最も強いことが、ドイツと米国による研究の暫定結果で示されたと述べた。
WHOの伝染病学者マリア・ファン・ケルクホフ氏は「非常に限られた情報に基づくと、症状の出始めもしくはその前後、つまり非常に初期の段階に患者に多くのウイルスが潜んでいるようだ」と述べた。
ケルクホフ氏はさらに、症状が軽い感染者からは最長8─9日間にわたり感染しやすく、「重度の感染者ではより長い期間になる可能性がある」とした。無症状者からうつる可能性はあると述べた。
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