頭にフォグ(霧、もや)がかかり判断力や思考力が低下する、新型コロナ後遺症“ブレインフォグ”

新型コロナウィルス感染症

新型コロナの後遺症で「頭がアホになった」

新型コロナの後遺症で「頭がアホになった」というツイートが話題になっています。

「ブレインフォグ」と呼ばれるこの後遺症の症状は、(霧、もや)がかかったようになってしまい、判断力や思考力が低下してしまいます。

ブレインフォグとは

ブレインフォグは、頭の中が混雑し、思考や集中力が鈍くなる現象です。情報処理が難しく感じ、記憶や判断に影響を与えることがあります。ストレス、睡眠不足、栄養不良、慢性疲労などが原因で起こることが多く、うつ病や不安障害とも関連があります。脳内の神経伝達物質や炎症の影響も考えられます。

「ブレインフォグ」では「頭がボーっとする」などの症状が特徴的で、症状が出た人は記憶障害や集中力の低下などで戸惑いや焦りを感じるほか、日常生活や就学・就労、職場復帰などの妨げにもなりうるとしています。

コロナ後遺症患者の訴える具体的な症状のうち、「視覚の異常」が比較的多いです。これも「ブレインフォグ」に含まれる症状の一種だと思われます。
目が悪くなった気がする、周りが暗く見える、テレビやスマホを見ていると気持ち悪くなる、文章を読むのが困難・・・。こうした異常を訴えるものの、通常の眼科の検査や、CTやMRIで脳を調べても、異常がみられません。

薬理的に抑えることで改善の可能性

最近の研究で、ブレインフォグを起こした患者さんの脳内では、ミクログリアやリンパ球とよばれる免疫細胞のはたらきが活発になっていることにより、脳に“慢性炎症”がおきていることも明らかになりました。

免疫と深くかかわるカリウムチャネルのはたらきを抑え、リンパ球の活動性を弱めてやることが、病気の治療にもつながることが明らかになってきています。

カリウムチャネルのはたらきを薬理的に抑えることによって、免疫細胞であるミクログリアやリンパ球自体の活動性を弱め、ブレインフォグでおきている脳内の “慢性炎症”を抑える可能性を明らかにしたものです。

抗アレルギー薬やコレステロール降下薬(スタチン類)、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、抗生物質、降圧薬などの中に、このカリウムチャネルのはたらきを抑える薬があることも数多く発見されています。これらの薬によっても、ブレインフォグの原因のひとつである、脳内の慢性炎症を抑えることが出来ると期待されています。

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