民間のPCR検査で誤って84人を陽性判定 

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PCR検査で、84人の陰性者を誤って陽性と判定

新型コロナウイルスのPCR検査を行っている民間検査機関「BML」は21日、名古屋市内の施設で15~18日に受託した検査で、84人の陰性者を誤って陽性と判定していたと発表しました。

BMLによりますと18日、委託を受けていた県内の医療機関から「普段よりも陽性率が高くなっている」と指摘を受け、別の施設で再検査したところ、誤って陰性者を陽性としていたことが分かりました。報告を受けた県によると、検査機器に誤ってウイルスが付着していたとのこと。

PCR検査は、極めて感度が高いので、雑に作業をしたり、不衛生な環境で検査を行うと今回のように「偽陽性」が出てしまいます。PCR検査では、「偽陽性」と誤判定が出ることを防ぐことは不可能です。したがって、毎日発表されている感染確認者数の中には一定の割合で「偽陽性」が生まれているのです。

数百人程度であれば、「偽陽性」は数十人で済みますが、1万人となれば数百人から数千人の「偽陽性」判定がなされることになります。

その中に、「高齢者」「既往症」のある方がいると、入院させなければいけません。新型コロナに感染もしていない人が、病床を奪い医療を圧迫させているのです。また、保健所は誤って陽性と判定された人に対しても患者として対応しなくてはいけません。

PCR検査を増やせば増やすほど、医療や保健所を圧迫しているのです。

 

感染していなくても「陽性」と判定されるケース

PCR検査は、新型コロナウィルスを見つけ出して感染しているか、していないか判定していると思いがちですがそうではありません。PCR検査では、新型コロナウィルスの遺伝子の中で他のウィルスにない特徴的なDNA(RNA)を見つけ出して感染しているか、していないか判定しているのです。

したがって、体内に新型コロナウィルスの特徴的なDNA(RNA)が存在すれば「陽性」と判定されてしまいます。

PCR検査キットは、「偽陰性」判定を避けるために極度に感度を高めてあります。したがって、「偽陽性」が出ることは前提で設定されているのです。無症状や軽症者の中にはたくさんの「偽陽性」患者が含まれているのです。

では、どんな時に「偽陽性」となってしまうか考えていきましょう。

1 PCR検査キットは風邪でも陽性と判定する

アメリカでは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)用PCRキットが他の様々なウイルスでも陽性になることがマニュアルに記載されています。PCRキットの日本製もありますが、原理はアメリカのキットと変わりませんので、日本製の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)用PCRキットも同様に他のウィルスでも陽性になります。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)用PCRキットに注意書きとして書いてあるウィルスは、

・インフルエンザウィルスA型
・インフルエンザウィルスB型
・RSウィルスB型
・アデノウィルスタイプ3タイプ7
・パラインフルエンザウィルス2
・マイコプラズマ肺炎
・肺炎クラミジア 

などです、アデノウィルスタイプとはいわゆる夏風邪のことです。7月・8月に入ってから感染確認される患者は、無症状か軽症ばかりです。軽症患者の中には夏風邪にかかっているのに、PCR検査で陽性と判定されている人もいるのです。

検査は、明らかに新型コロナウィルスの症状が出ている人に対して、本当に新型コロナウィルスに感染しているか確かめるために実施するものなのです。そうしないと、別の病気にかかっていても新型コロナウィルスに感染していると判定されてしまいます。

2 感染していないのに新型コロナウィルスの特徴的なDNA(RNA)が存在

感染していないのに新型コロナウィルスの特徴的なDNA(RNA)が存在するとPCR検査で感染していなくても「陽性」と判定されてしまいます。

感染していないのに新型コロナウィルスのDNA(RNA)を体内に持っているケースは、

  1. 感染者と濃厚染色したり、ウィルスを手で触ったりしてウィルスを暴露した人
  2. 新型コロナウィルスに暴露したが、自然免疫が働き感染しなかった人
  3. 感染したが自然免疫で治った人

となります。

この1~3に当てはまる人の体内には、一時的に新型コロナウィルスの特徴的なDNA(RNA)が存在することになります。したがって、1~3に当てはまる人は、偶然にもDNA(RNA)が残っている時点でPCR検査を受けると感染していなくても「陽性」と判定されてしまう場合があります。

感染者と濃厚染色したり、ウィルスを手で触ったりしてウィルスを暴露した人

感染者と接触した人が、暴露した直後にPCR検査をすれば、ウィルスはまだ体内に残っておりウィルスが採取されて「陽性」と判定されてしまう可能性があります。

新型コロナウィルスに暴露したが、自然免疫が働き感染しなかった人

新型コロナウィルスに暴露したが、自然免疫が働き感染しなかった人の体内にも、破壊された新型コロナウィルスの破片が残っています。この破片の中にも新型コロナウィルスの特徴的なDNA(RNA)が存在しますので、PCR検査を受けると「陽性」と判定されてしまうことがあります。

わずか数個のDNA(RNA)であっても、化学反応が起きる量に増幅することが可能です。PCR検査では、破壊された破片がわずかであっても見逃したりはしません。

 

感染し自然免疫で治った人

感染し自然免疫で治った人の体内にも破壊された新型コロナウィルスの破片が残っています。

新型コロナウィルスは極めてゆっくり病気が進行するので、感染しても病気に気がつかない人が多くいます。日本人の多くの人は、新型コロナウィルスに感染しても自然免疫の活動で、自然に治癒する人がいます。めでたしめでたしと言いたいのですが、病気が治った直後にはDNA(RNA)が体内にまだ残っています、病気が治った直後にPCR検査を受ければ「陽性」と判定されてしまうことがあります。

検査がへたであれば、「偽陽性」判定になる

検査がへたであれば白い物でも黒くなります。偽陽性になるケースとしては、

  1. よくあるのは検査の工程で異物が混入し陽性になるケースです。⽬的の病原体以外の物質と反応すると偽陽性の原因となります。
  2. 検体の取扱いに不備があったりしても、偽陽性の原因となります。
  3. 検査が正しく⾏われなかった場合にも偽陽性が起こります。

現在のPCR検査では、1万人の中に100人のコロナ感染者がいるとすると、30人を見逃す恐れがあるのに加え、99人の感染していない人を誤って陽性と判定する可能性があると言われています。

不特定多数に大量に検査を行えば、「偽陽性」と判定は限りな増えてしまいます。

逆に、感染していない人を誤って陽性と判定しないためには、「濃厚接触者」や「明らかに新型コロナウィルスの症状が見られる」方に絞って検査をすれば「偽陽性」を減らすことができます。

発熱もなくアレルギーが出て医者に行ったら、「念のためにインフルエンザの検査をしてみますか」と聞かれたら断りますね。インフルエンザの検査をするのは急に発熱がしインフルエンザの症状が出た人が行います。同様に、新型コロナウィルス感染症も「濃厚接触者」であるか、症状が出ている人が受けるべき検査なのです。

 

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