喫煙者は新型コロナにかかりにくい!
フランスのピティエ・サルペトリエール病院から発表された研究結果
4月24日に、フランスのピティエ・サルペトリエール病院から発表された研究結果で、「ニコチンが新型コロナウイルスの感染を抑制している可能性がある」とい発表しました。
フランスでの喫煙率は35%に対して、愛煙家のコロナ患者は5%しかなかった。このデータから、「喫煙者のほうが非喫煙者より新型コロナにかかりにくい」という説が登場したのです。
中国でも愛煙家の感染率は大きく下回っている
アメリカの学術論文「ニューイングランド医学ジャーナル」によると、中国では感染者1000人中の喫煙者の割合が12.6%という研究結果が出ている。中国の喫煙率は約26%ですので、喫煙家の感染率は低いと言うデータが出ている。
「ニコチンがウィルス侵入を阻止している」と言う仮説
フランスの研究チームは「ニコチンが細胞受容体に付着することで、ウイルスが細胞に侵入して体内で拡散するのを阻止する可能性がある」と仮説を立てて、さらなる臨床試験を実施する計画を立てているとのこと。
喫煙が感染症の重大なリスクに
逆に、タバコが病状を悪化させると言う意見もあります。日本禁煙学会は、COVID-19が重症化しやすいのは、
- 高齢(60歳以上)
- 喫煙(現在、喫煙している人、過去に喫煙していた人)
- 喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)のある人
- 糖尿病や肝疾患などの慢性疾患のある人
としています。
中国湖北省武漢市にある華中科技大学などの研究グループが発表した研究で、喫煙者はCOVID-19が重病化し、肺炎が起こるリスクが14倍も高いことが示されました。
重症化した人の割合は、
- 非喫煙者14%
- 現在喫煙中と過去に喫煙していた人を合わせた喫煙者24%
喫煙により重症化リスクが1.7倍高くなったのです。
タバコが肺や免疫力へダメージをもたらす
喫煙は肺をはじめとする呼吸器や全身の免疫系にも悪影響を与えます。
インフルエンザ、ノロウイルス、重症急性呼吸器症候群(SARS)、中東呼吸器症候群(MERS)などの感染症についても、喫煙者は感染しやすく、感染すると重症しやすいことが知られるが、COVID-19についても感染や重症化のリスク要因にもなるのです。
重病化が関係している理由として、
- タバコにより血流が悪くなる。血管障害で血流が滞り、体の隅々に栄養が行きわたらなくなると免疫が低下する。
- 肺表面にある線毛は、肺内の粘液や汚れ、ウイルス、バクテリア、有毒粒子などを排出する働きをもっているが、喫煙は線毛を損傷させる。
- ニコチンは、肺の炎症を抑え傷ついた細胞を修復する作用のあるサイトカイン(生理活性物質)の産生も阻害する。
- タバコは吸い口付近を指先で挟んだり、煙を深く吸い込んだりするため、手指に付着したウイルスや細菌が体内に入り込むリスクがある。
- 喫煙は、新型コロナウイルスがヒト細胞に感染する際の侵入口となるアンジオテンシン変換酵素(ACE)受容体を活性化させる可能性がある。
喫煙に関連する疾患の多くは心血管と肺に起こるので、喫煙が重症化の原因を作っていると言えます。
都合のいいエビデンスをつくる
マーケティングのために「都合のいいエビデンスをつくる」という事例は、テレビのコマーシャルを見ていれば限りなく存在します。CMを見ていると欲しくなるように「どこどこの研究では、こんなに成果がでました」と放送しています。
サプリメントにも関わらず、医薬品でも治らない病気がいかにも治るかのように思わせるのですからその技術はすごいものです。テレビを見ている人は思わずほしくなります。気づかないままに操り人形にされてしまっているのです。
人は自分にとって都合のよい情報だけを収集する傾向があります。愛煙家は「タバコをすうと新型コロナにかかりにくい」という情報に飛びつくことでしょう。逆に禁煙化も黙っていないでしょう。新型コロナが治まるまでは煙草をめぐる情報戦は続くことでしょう。
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