無症状病原体保有者が増えている
日本でもPCR検査を受ける人が増えてきています。検査が増えることに比例して無症状病原体保有者(症状はないがPCR検査が陽性だった者)も増えてきています。
北九州市では、5月23日から同31日まで9日間の陽性者97人のうち、5割超の52人が無症状だったことを明らかにしました。これは、陽性者の早期発見を目的にPCR検査の対象を広げたからです。この無症状病原体保有者(症状はないがPCR検査が陽性だった者)の中には、
- 擬陽性;PCR検査で感染していないにも関わらず陽性と誤って判定された人。
- 陽性
と、感染していないのにPCR検査で陽性と判定されてしまう方がいるので気を付けないといけません。
間違った判定で隔離生活を要請される
早期発見をうたって検査を乱発するとPCR検査の精度は一段と低下し、間違った判定が大幅に増えます。間違った判定の中には、
- 偽陽性;PCR検査で感染していないにも関わらず陽性と誤って判定された人。
- 偽陰性;PCR検査で感染しているにも関わらず陰性と誤って判定された人。
が増えるのです。間違って陽性と判定され何日間も隔離生活をしなくていけないのではたまったものではありません。
PCR検査をすればするほど感染者が増える
また、感染しているにも関わらず陰性と判定された人はたとえ無症状であっても感染力を持っているので危険です。PCR検査をすればするほどこの偽陰性の患者が増えるのです。
例えば、アメリカの研究では感染1日目にPCR検査をした人の「偽陰性」率は100%という結果が出ています。感染したばかりの新型コロナウィルス患者は、PCR検査で陽性と判定されるほどウィルスを持っていません。したがって、検査では間違って陰性と判定されます。これを偽陰性といいます。
この偽陰性の人は検査で間違って「あなたは新型コロナウィルスに感染していません」というお墨付けをもらうので、普通の日常生活をしてしまいます。そして多くの人に全く気がつかない間に感染を広めてしまいます。
最近のニュースで無症状者が増えたとか、感染経路不明者が多数いるという記事が多いのはPCR検査数を増やしたためです。
PCR検査は絶対ではありません。不用意に検査を増やせば、間違った判定を行い感染を広めてしまう結果になるのです。誤判定を可能な限り減らすように念には念をいれて慎重に取り組むべき検査なのです。
無症状病原体保有者(症状はないがPCR検査が陽性だった者)から感染します
PCR検査で陽性と判定されても無症状の患者が多くいます。当然、間違って陽性と判定された人からは感染することはありません。しかし、本物の陽性患者からはたとえ無症状でも感染しますので注意が必要です。
新型コロナウイルスでは、症状が明らかになる前から、感染が広がるおそれがあるとの専門家の指摘や研究結果も示されており、例えば、台湾における研究では、新型コロナウイルス感染症は、発症前も含めて、発症前後の時期に最も感染力が高いとの報告がされています。
(参考1)アメリカ疾病予防管理センター(CDC)ホームページ
https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/about/transmission.html
(参考2)台湾における新型コロナウイルス感染症発症者の感染力の研究
https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/fullarticle/2765641?resultClick=1
大量にPCR検査をしてもウィルスをなくすことはできません
韓国や諸外国は徹底してPCR検査をしています。しかし、感染者をなくすことはできていません。検査でウィルスをなくすことが出来るなどと言うことは愚かな妄想でしかありません。
だから、いくら政府や保健所が頑張って対策をしても、新型コロナウィルスをなくすことはできません。
ウィルスはいつでもどこにでもいてあなたに感染してしまう可能性がありますので気を緩めてはいけません。
外出時、あなたの隣にいる人が感染者かもしれません
無症状感染者でも感染力を持っています。無症状の人は自分自身が感染しているとは気がついていません。症状が出ていないので、外から見ても誰も感染しているとは分かりません。
だから、緊急事態宣言が解除されても私たちはウィルスをまだ同居していることを忘れないでください。常に人と人との距離をとること(Social distancing: 社会的距離)、外出の際のマスク着用、咳エチケット、石けんによる手洗い、アルコールによる手指消毒、換気といった一般的な感染症対策や、十分な睡眠をとる等の健康管理を心がけるようにしてください。
また、新型コロナウィルスに感染しているか不安になった方は、保健所の指示を早くあおいだ方がいいので、地域の保健所に電話をかけてください。間違っても医院や病院へ相談に行くことのないように気を付けてください。
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