新型コロナワクチン接種１億回を超える
菅義偉首相は9日、長崎市で記者会見し、同日までに新型コロナウイルスワクチンの国内の総接種回数が「1億回を超えた」と明らかにしました。医療従事者と高齢者のワクチン接種がほぼ完了した現時点で、新型コロナ感染症の状況がどのように変化してきているのか見てゆきたいと思います。
こちらは、８月10日までの接種実績です。
これまでの総接種回数：102,913,015回（令和３年8月10日公表）
総接種回数の内訳は表のようになっています。
医療従事者と高齢者のワクチン接種は十分進んでいますが、国民全体では２回接種が完了している人の割合は未だに３２％に過ぎず十分満足のゆく状態とは言えません。それでも。新型コロナウィルス感染症の状況はワクチンによって大きく変化してきています。
新型コロナの感染者数は急増
9日はこれまでに全国で1万2073人の感染が発表されています。
グラフからも分かるように加速度的に新型コロナ感染確認者数が増加しており、感染拡大に歯止めがかからない状態が続いています。
国内で感染が確認された人は空港の検疫などを含め104万4320人、亡くなった人は1万5296人です。
厚生労働省によりますと新型コロナウイルスへの感染が確認された人で、人工呼吸器や集中治療室などで治療を受けるなどしている重症者は、9日時点で1190人（＋52）となっています。
ワクチン接種が進むと気の緩みが生まれ感染者は増加する傾向がどこの国にも見られます。日本国民も海外と変わりはないようです。感染拡大が続いています。
感染者数が増えるとともに重症者も増加している
感染者数が増えるとともに重症者も増加しているます。
このグラフは、６月１日から８月９日までの東京都の重症者数を表しています。赤い点線は７日間平均を表しています。東京都では、感染者が増えるとともに重症者も上昇していることが分かります。
日本全体でも、東京都と同様に感染者が増えるとともに重症者が増加し医療を圧迫しています。
この表は、東京都の重症者の世代別人数です。東京都では重症者が最も多いのは５０歳代、続いて、４０歳代となっています。ワクチン接種が進んだ６０歳以上は重症者が大きく減少しています。
日本全体でも、東京都と同様に重症者の世代は、高齢者でなく５９歳以下が増えてきています。
感染者増とは真逆で死亡者は激減している
次に国内の新型コロナウィルス感染症が原因でお亡くなりになった方の人数の変化を見てみましょう。
このグラフは、６月１日から８月９日までの新型コロナウィルス感染症が原因で死亡した人の人数を表したものです。感染が加速度的に増加しているにも関わらず死亡者は大きく減少しています。死亡者が大きく減少した理由は、
- 高齢者のワクチン接種が進み、死亡する確率の高い高齢者が重症化する人が減少した。
- 重症者は増えてきているが、重症化するのは３０歳代から５０歳代と変化してきている。
- ３０歳代から５０歳代は高齢者と違い重症化しても回復する体力が残っており、医師の治療の効果で死なないで済んでいる。
などが考えられます。
ワクチン接種が始まる以前は、重症化しお亡くなりになる方の多くは高齢者でした。ワクチン接種が進むにつれて、高齢者の感染確認者数も重症化するひとも大きく減少しました。
日本では、ワクチン接種で感染予防効果も重症化予防効果も十分に発揮していることが分かります。
ワクチン接種が１億回を超え、これから６０歳未満のワクチン接種が進めば、感染する人も、重症化する人も大幅に減少することでしょう。ワクチンの接種が進めば、重症化する人は全世代で大幅に減少すること想定できます。
国民の６５～７５％以上がワクチン接種を完了すれば、コロナ以前の日常が帰ってくる
日本では、ワクチンによってつくられる免疫の効果は大きく、ワクチンを接種した人にとっては、「新型コロナウィルス感染症は風邪以下の病気」となります。
１１歳以下の子供たちと病気があり医者からワクチンを接種しないように言われている人は残念なことにワクチンを接種することができません。子どもたちと病弱な人が新型コロナに感染させないためには、周りの大人がワクチンを接種して感染が広まらないようにすることが必要となります。
国民の６５～７５％以上がワクチン接種を完了すれば、コロナの流行はおさまると言われています。コロナ以前の日常を取り戻すために、「接種券」が届いたらどなたも積極的にワクチンを打つようにしてください。
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