偽陰性クラスター

対策

偽陰性クラスターとは

偽陰性クラスターとは、実際は新型コロナウィルス等に感染しているにも関わらず、PCR検査などで「まちがって陰性」と判定された人が感染していないと勘違いして日常生活を行い、病院や施設、職場等で多くの人に感染させてしまうことを言います。 

 

「偽陰性クラスター」の事例

事例1 大阪急性期・総合医療センター(大阪市住吉区)

70代の男性患者が、退院後の外来受診で症状を訴え、陽性と判明。同室だった患者ら11人、主治医ら医療関係者9人の感染が相次いで確認された。

感染した患者は全員、入院した際のPCR検査で陰性だったが、「偽陰性」が含まれていた可能性がある。

事例2 北海道医療センター

センターで起きたクラスターは、入院時のPCR検査で陰性だった患者が実際には感染しており、担当看護師を通じて院内に広がった可能性が高いと結論付けた。

事例3

5月2日に新型コロナの感染疑いで入院した患者は、PCR検査で陰性。CT検査も異常はみられなかった。2日後に大部屋に移り、その後、この部屋の患者で発熱が相次いだ。大部屋に移った患者を含め、患者計7人の感染が確認された。

事例4

4月12日、発熱があった患者に医師の判断でPCR検査をした。新型コロナとは違う病気で入院予定だった。結果は陰性。念のために個室に入り、CT検査もしたが肺炎の疑いはみられなかった。

 検査から1週間後、患者は他の患者もいる大部屋に移り、数日過ごして退院した。しかし、発熱が続いて再入院すると、PCR検査で陽性と出た。大部屋にいた患者や担当の職員を検査。計7人の感染が判明した。

 

ステルスな陰性クラスター

先にあげた4つの事例は病院の事例です。病院では常に患者の様態をチェックしています。また、体調が悪くなれば病院を訪れます。したがって、病院では「偽陰性」であったことが判明しやすいです。

しかし、病院や施設関係者以外で、PCR検査を受け「陰性」と判定された人は、実は感染していても、症状が出なければ気が付きません。

PCR検査を受け感染しているにも関わらず「陰性」と判定された人は、自分は健康と思い込み日常生活を行います。そして、誰も気がつかない間に多くの人に新型コロナウィルスを感染させているのです。

つまり、「偽陰性クラスター」は市中いたるところで誰も気がつかないで非常に多く起きているのです。

 

なぜ「偽陰性」判定が起きるのか

感染5日目より前にPCR検査をすると「偽陽性」「偽陰性」のリスクが伴う!

初期にPCR検査を行うと、ウィルスが少なくウィルスをうまく採集できないため「偽陽性」判定が多くなるリスクが高くなります。

感染後8日目が偽陰性の可能性が最小になる

米国ジョンズ・ホプキンズ大学のLauren M. Kucirka氏らが7つの研究のプール解析を行ったところ、偽陰性率は、発症後3日目(感染後8日目)に最も低くなることがわかった。著者らは、偽陰性の可能性を最小限にするために、検査は発症から3日間待って実施すべきとしている。

感染してからの日にちと偽陰性率

感染1日目;100%
感染4日目;67%
感染5日目;COVID-19の典型的な発症日

発症してからの日にちと偽陰性率

・発症日(感染5日目)1日目;偽陰性率は38%
・発症3日目(感染8日目);偽陰性率は20%と最低になる。
・発症4日目(感染9日目);21%と再び増加
・発症17日目(感染21日目);に66%

感染したばかりの新型コロナウィルス患者からウィルスを採集することは難しいのです。また、病気が治癒し始めウィルスが減少すると再びウィルスの採集が困難になります。

 

PCR検査で早期に感染者を見つけ出し感染を防ぐという考えは危険

マスコミは「日本はPCR検査が少ない」と日本の対策を猛烈に批判しています。しかし、現実にPCR検査を大量に実施して新型コロナウィルス感染症の感染者を減らすことが出来た国などありません。PCR検査を多く実施する国では、PCR検査数に比例して感染者数も死亡者数も増えているのです。 

「検査・検査・検査」を実施し、早期に感染者を見つけ出し感染を防ぐという考えは危険な考えです。

PCR検査の精度は、タイミング・条件に影響されます。PCR検査は、検査の特性をよく理解した上で、目的を持って計画的に実施するものなのです。

新型コロナウィルス患者を見つけ出す最も効率の良い検査方法はPCR検査です。しかし、いくら精度の高い検査と言ってもタイミング・条件に影響を受けます。体内のウィルスが少ない段階、悪い条件で検査しなければいけない場合、再度検査を行う等の配慮が必要となります。

 

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