肥満はなぜ怖いのか?

健康生活
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肥満とは?

肥満とは「体の中に体脂肪が過剰に蓄積した状態」と定義されています。筋肉量が多く体重の重い人は肥満ではありません。体脂肪は、全身のさまざまな箇所に存在し、筋肉のすき間にも付着しています。体脂肪が多すぎる人のことを「肥満」といいます。 

肥満には、内臓のまわりに脂肪が蓄積する「内臓脂肪型肥満」と、下腹部・腰まわり・おしりなどの皮下に脂肪が蓄積する「皮下脂肪型肥満」があります。

肥満を判定してみましょう

BMIについて
BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)で計算される肥満度判定の方法です。

理想の体重
 BMI=22となる体重を理想としたのが標準体重です
 標準体重=22×(身長m)2

 男女とも22の時に高血圧、高脂血症、肝障害、耐糖能障害等の有病率が最も低くなります。

 

肥満は多くの病気の要因

肥満の方は、驚くほど多くの病気をまねく可能性があります。

  1. 肥満になると体重が腰や脚にかかります。骨や関節への負担が大きくなり、腰痛や膝痛などの関節障害を起こしやすくなります。急いでいたり、自転車に乗っていたりして転んだりして急に大きな負担を受けると、骨折を起こすことも少なくありません。
  2. 高尿酸血症から痛風をまねいたり、脂肪肝やすい炎を促進したりします。
  3. 突然死の原因ともなる睡眠時無呼吸症候群になる可能性も高まります。肥満度が高くなるにつれ、睡眠中の呼吸障害をきたしやすくなり、突然死や睡眠時死亡を引き起こすことがあります。
  4. 大腸がんや前立腺がん、乳がん、子宮がんなど、多くのがんのリスクを高めます。
  5. 糖尿病、高脂血症、高血圧、痛風、胆石症、骨粗しょう症などの下地になる。
  6. 狭心症、心筋梗塞など、虚血性心臓病や脳卒中の原因になります。

  「肥満は万病のもと」です。

生活習慣病
 糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病は肥満と密接な関係があります。肥満を放置していると、こうした生活習慣病を悪化させ、血管を傷つけたり、もろくしたりして、やがて動脈硬化を引き起こします。その結果、心筋梗塞や脳卒中などの重大な病気へと進む原因ともなります。日本人は、少し太ると糖尿病をはじめとした生活習慣病になりやすい体質を持っています。日本人は、肥満にはとくに気をつける必要があります。

新型コロナで肥満の人は重篤化しやすい

アメリカでの死亡者が多いことで注目されるようになったのが肥満です。アメリカは、肥満が多く、それが死亡者が多い大きな原因になっているからです。疾病対策センター(CDC)が基礎疾患の有る人のデータを分析したところ、最も多かった基礎疾患は糖尿病で全体の10.9%でした。
 集中治療室(ICU)に運び込まれた重篤な患者だけのデーターを分析すると糖尿病の感染者が32%と突出していることが分かりました。

アメリカのCDCが発表した、集計期間は2020年2月12日〜3月28日の初期のデーターでは、新型コロナウィルスに感染した糖尿病患者のうち30%が重体になり入院しています。新型コロナウィルスに感染した糖尿病患者のうち6%が入院後さらに病状が悪化しICUが必要となっています。糖尿病があると重症化するリスクがあることが明らかになりました。さらに、若者であっても糖尿病の患者は、重症化するリスクが高いです。

 肥満は、高血圧や糖尿病、脂質異常症(高脂血症)などの持病の原因でもあります。運動不足・食べすぎなどの積み重ねが肥満の原因である場合が多く、生活習慣を改善する事により将来的に重篤な病気を予防することに繋がります。 日本人は欧米人よりもインスリンの分泌量が少ないとされています。ですから、少し肥満になっただけで糖尿病になるリスクが高まります。定期健診で、肥満やメタボと指摘された人は、今すぐに生活習慣を改善に取り組むようにしましょう。でも、体質改善はそんなに簡単にできるものではありません。肥満気味の方は、ウィルスに絶対に遭遇しないように自主的にウィルスから自分自身を隔離する生活スタイルを身に付けるようにしましょう。

 

どういう肥満がいけないのか-内臓脂肪型肥満

肥満を大きく二つに分類すると内臓脂肪型と皮下脂肪型に分かれます。

内臓脂肪型は「りんご型肥満」
皮下脂肪型は「洋ナシ型肥満」
とも言われます。

内臓脂肪型は「りんご型肥満」
りんご型肥満とも言われ、腹部の内臓の周囲に脂肪が貯まっている状態です。
簡単には、お腹周りが大きい人。いわゆる「ビール腹」「中年太り」

皮下脂肪型は「洋ナシ型肥満」
肥満(BMI25以上)の方で、ウエストが男性で85cm未満、女性で90cm未満の場合、「皮下脂肪型」である可能性があります。
筋肉が少ない人が皮下脂肪肥満になりやすい傾向にあります。女性は男性に比べて筋肉が少ないので、皮下脂肪肥満になりやすいのです。

問題になっているのは、脂肪などの過食、運動不足などで内臓脂肪が過剰に蓄積した「内臓脂肪型肥満」です。

しかし、少々太っていても、血液検査で異常がなく、運動量も十分であれば、とくに減量にこだわる必要はないといえます。ちなみに、少々太っていてもよく運動している人は、標準体重であっても少ししか運動していない人に比べて死亡率が低いことが知られています。

内臓脂肪型肥満は生活習慣病そのもの

生活習慣病とは

 生活習慣病とは、「健康的と言えない生活習慣」が関係してしている病気のことです。「生活習慣病」は、かつて「成人病」と呼ばれていました。しかし、これらの病気は成人でも生活習慣の改善により予防が可能で、成人でなくても発症の可能性があることがわかってきたのです。健康増進や発病予防に重点を置いた対策を推進するために、新たに導入された概念が生活習慣病と言う病名です。

生活習慣病の主な病気

 生活習慣病に該当する主な病気として、高血圧、脂質異常症、2型糖尿病、慢性腎臓病(CKD)、高尿酸血症/痛風、肥満症/メタボリックシンドローム、脂肪肝/非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)/非アルコール性肝炎(NASH)、アルコール性肝炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD、肺気腫や慢性気管支炎)肺がん、大腸がん、歯周病、などが挙げられます。

 生活習慣病の多くは、発病してもかなり進行するまで自覚症状がほとんど現れないという共通点があります。

日本人に肥満が原因の生活習慣病が多い訳

 日本人の多くは、倹約遺伝子を持っています。倹約遺伝子とは使うエネルギーを最小にし、余ったエネルギーは、最 大限に蓄える」「飢餓に備えてエネルギーを節約し、脂肪を蓄える」という遺伝子です。運動不足や食べ過ぎ等の非健康的な生活習慣に順応してしまうと内臓脂肪型肥満になりやすいのです。したがって、日本人がかかる生活習慣病の多くは、肥満・メタボリックシンドロームを基盤として発症・進行する生活習慣病が多いのです。

 

無理なダイエットは危険

リバウンド
 極端な食事制限を行うと、確かに短期間で減量できますが、多くの場合、その効果は一時的で、しばらくすると元の体重に戻ってしまうか、あるいは逆に体重が、減量前の体重以上になってしまう場合(リバウンド)があります。
 無理な減量を繰り返していると、食事制限に対して次第に体が反応しなくなるばかりか、体重の変動が大きいほど死亡率を高めることになるのです。

 減量に挑戦する場合、無理をせず4kg程度の減量にとどめた方がよいです。体重を5~10%減量するだけで、内臓脂肪を30%近く減らせるというデータがあります。

睡眠時無呼吸症候群

肥満者は、大変大きなイビキをかくようになります。しばらく続くとイビキがしばらく止まり、あえぐような息やイビキで呼吸を再開します。一時的に無呼吸状態になっているのです。

また、無呼吸が持続しますと血液中の酸素濃度が急激に低下し、その結果、肺循環系や体循環系が大きな影響を受け、肺高血圧症や高血圧症の原因になります。さらに上気道の閉塞と血液酸素濃度の低下により副交感神経(迷走神経)が刺激を受け、徐脈や致命的な不整脈の原因になり、突然死や睡眠時死亡の危険も生じます。また心筋梗塞や脳卒中の原因にもなります。

肥満にともなう睡眠時無呼吸は、眠りが浅く、いつも眠く、熟睡できなくなり、さらに著しい昼間の眠気をもたらします。

実際の交通事故の1割が睡眠時無呼吸症候群によるという報告があります。減量は絶対条件です。

やせぐすりによる健康被害

中国製ダイエット用健康食品(未承認医薬品)

中国製ダイエット用健康食品(未承認医薬品)を服用した多くの女性が肝機能障害をきたし、劇症肝炎による死者も出てしまいました。実はその中国製ダイエット用健康食品には食欲抑制薬であるフェンフルラミンの誘導体(N-ニトロソフェンフルラミン)が高濃度に含まれていたため、肝臓機能障害が起きたのです。

フェンフルラミンは米国で1973年に食欲抑制薬として承認されたのですが、その重篤な副作用(原発性肺高血圧症、心臓弁膜症)のため、1997年に市場から回収されています。やせぐすりに安易に頼ることは危険を伴いがちです。

韓流ダイエットによる健康被害

ヤン・ジウンさん(仮名 25歳女性)は、いわゆる「痩せる薬」と病院で処方されたものを1年間服用した後、知的障害の判定を受けることになった。以前は問題なかったにもかかわらず、検査を受けた時には、彼女のIQは61まで下がっていた。

問題となっている薬の主要成分である食欲抑制剤は、覚醒剤のアンフェタミンなどに薬理学特性が類似しており、劇薬だ。
依存性も高く、長期間服用した場合、うつ病、幻覚、自殺衝動のような深刻な副作用を引き起こす可能性があると警告している。

しかし現在、韓国の一部病院ではこの薬の処方が乱発されており、こういった健康被害が頻発している。

 

肥満を予防するには

痩せている人と太っている人の違い

食生活や運動習慣など、肥満になりやすい生活習慣を見直すことで、肥満は予防できます。人における1日の総エネルギー消費量は、(1)安静時新陳代謝、(2)熱産生、(3)運動による身体活動で生じるエネルギー消費、(4)運動によらない身体活動で生じるエネルギー消費(ニート)の4つを合計したものです。

「やせている人」と「太っている人」で1日の体位とエネルギー消費量を比較してみると、(4)運動によらない身体活動で生じるエネルギー消費(ニート)の差があることが分かってきました。つまり、(4)運動によらない身体活動で生じるエネルギー消費(ニート)に心がけることで肥満を無理なく解消することができるのです。

ニートとは、運動ではない日常生活での活動で発生する熱量のことです。一般の人では、運動よりもNEATで消費するエネルギー量の方が多いのです。

肥満者と非肥満者の消費エネルギー量や生活行動を調べたところ、肥満者は非肥満者よりも座っている時間が長く、立っている時間が短かっ たと 報告されています。

ニート(NEAT)を増やそう

歩ける距離であれば車を使わない、こまめに家の掃除をする、電車では立つ、駅でエスカレーターではなく階段を使うといった行動は、まさにNEATを増やす行動です!自分のライフスタイルに合わせてNEATを増やしてみませんか?

なお、ニートは食事療法との組合せることで効果を得られるのです。頑張って日常での活動量を増やしても、食事療法がおろそかになると十分な効果を得られません。食事療法をまもり、かつ、こまめに体をうごかすことが大切となります。

 

食生活の見直し

夜食はしない

 夜には翌日の活動に備えてエネルギーの貯蔵を行います。そのため夜は太りやすい時間帯なのです。

1日3食、規則正しく食べる

 不規則な食事の習慣は、生体リズムを乱し、内臓脂肪蓄積の原因になります。

ゆっくりよく噛んで

 脳の満腹中枢が働くまでは約20分かかります。よく噛んでゆっくり食べることが過食の防止につながります。

バランス良く食べる

近年、日本人の男性において肥満が増加しています。これには動物性脂肪の摂取量が増えていることが理由です。また菓子類や清涼飲料水の過剰な摂取が肥満につながります。

同じものばかり食べるなど、栄養に偏りのある食生活は太りやすい体を作ります。糖質、蛋白質、脂質をバランスよく摂取することに加え、ビタミン、ミネラル、食物繊維も積極的に摂ることが大切です。ビタミンやミネラルは体内の代謝を促し、食物繊維は糖質やコレステロールの吸収を穏やかにします。

 

コメント

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